■ 設 立 趣 旨 ■
特定非営利活動法人オープンエアーの設立趣旨
(法第10条第1項関係様式例)


設 立 趣 旨 書

1 趣 旨
 昭和30年代、知的障がいをもつ方は蔑視される風潮がありました。幼いころの影響もあり私自身40年近くもの間、近寄らないほうが良い人達と思っており、間違いであると気がついたのはここ数年のことです。
日本に生まれた人は、その瞬間から教育・就労・納税の義務を負います。これは国民と国との暗黙のうちに交わされる契約であり、同時に社会は全ての市民に対して平等に生活を送ることのできる環境を提供しなければならないと思います。
日本ではハンデキャップを持つ少数の人々が、本当に理解されているでしょうか。同じ学級に知的障がい児がいると『勉強の妨げになる』と言う方が、残念ながら存在します。職場で『障がいをもつ方は能力が低いので一緒に仕事をしたくない』と主張する人もいます。このような事例は個人の問題である以前に、教育を怠った社会の責任ではないでしょうか。ノーマライゼーションや在宅介護という言葉のもとで共生が推進されていますが、社会的基盤の構築は著しく遅れているのが現状ではないでしょうか。
インフラストラクチャーが整わない状態で共生はありえません。真っ先に行わなければならないことは、障がいを持つ方や介護を要する方、およびそのご家族との相互理解です。机上の理論ではなく、実際に触れ合い肌で確かめる必要があると思います。
私たちは、自然のなかで『遊び』を提案することにしました。金銭や利害関係に捕らわれず、相互理解を深めるには最も適した手段の一つと考えます。特に力を入れているカヌーは、障がいの度合いに影響されることが少なく、だれもが同じペースで楽しむことができます。遊びだけでなく日本の文化とも言える川の利用方法や、水資源および、その源となる森林のあり方など、多くことを学ぶことができます。触れ合いを大切にし、環境保全の心を養う効果もあるのです。日本人は元来、川で遊び、川を利用して生活してきました。今、人々は川に背中を向けています。小さなカヌーは、水の上から大きな発見を与えてくれるのです。
民間企業には全従業員の1.8%以上に当たる障がい者を雇用する義務がありますが、どれだけの企業が達成しているのでしょうか。せっかく雇用してにもかかわらず、短期間で退職してしまうケースも多いと聞きます。障がいを持つ方は、通勤や就労においてさまざまな問題を抱えており、相談もできずに解決の糸口も見出せないまま挫折してしまうことがあります。退職と採用を繰り返しての1.8%では意味がありません。雇用の促進も大切ですが、雇用の維持はもっと大切で難しい問題です。一緒に遊びお互いを理解することで、相談もしやすくなり雇用の維持につながると確信します。
いくら制度を作っても、活かすことのできる基盤がなければ絵にかいた餅です。私たちは『相互理解』により『共生』の基盤を築くために活動を行っています。これは社会が怠ってきた『義務』ではないでしょうか。

2 申請に至るまでの経過
 平成14年12月より、NPO法人の申請を前提とした活動を始めました。徳島県を流れる吉野川を主な活動場所と決定し、障がい者と健常者との交流カヌーツーリングを行っています。
 経済的負荷を最小限に抑えるため、事務所は妻の実家にある倉庫を自ら改築し、最低限の機材を調達して平成15年5月にテストイベントを行いました。徳島県や香川県の賛同者を集めて吉野川の下見ツーリングを繰り返し、同年7月に知的障がい者通勤寮の方や福祉職員の方を集い、8人のスタッフと総勢20人で初の交流ツーリングを実施するにことができました。あいにくの雨混じりでしたが、楽しい一日を過ごし評判も上々です。徳島新聞の取材を受け、7月14日付の朝刊に紹介されました。
 定期的に行って欲しいと言うリクエストに応え、毎月第二日曜日をカヌーツーリングの日と定め、8月・9月と活動を続けると参加者が45人にも達し、大きなニーズを感じています。9月は連休を利用したキャンプをイベントに取り込み、10月6日の徳島新聞夕刊に特集記事として取り上げていただきました。
10月を平成15年の最終カヌーツーリングとしましたが、あいにくの雨で、気温や装備などのリスクを考えて中止にせざるを得ませんでした。それでも参加者の方が全員心残りの様子なので、昼食に予定していたトン汁を食べながら、雨の晴れ間を見て少しだけカヌーの練習をしました。その後は温泉&うどんツアーと新たな方向で楽しみました。
 今後の方針としては、体験カヌーの実施やカヌーツーリングの更なる充実、音楽と野外ディナー、ハイキング、蔓細工など多くの方が参加できるようにいろいろなイベントを企画し、交流を深めて行きたいと考えています。また、企業研修や野外教育の一環として各方面に提案していく所存です。


  平成16年3月20日

特定非営利活動法人オープンエアー        
東京都墨田区墨田二丁目10番10−603号
設立代表者 竹内範善



( 2004年05月1日[土] )